「ダイエット」という名の心の病。ダイエットの語源

「ダイエット」の語源を調べてみると「生活様式」という意味のギリシャ語の「diata」から派生した言葉で、直訳すると「日常の食べ物」という意味だそうです。

そこから「代謝異常」「消化器系内臓疾患」「肥満」などに対する「食事療法」や「治療法」といった意味をもつようになったといわれています。

なるほど。ダイエットという言葉の本来の意味を考えると、さしずめ「食生活に由来する生活習慣病対策」といったニュアンスがいちばん近いかもしれませんね。

少なくとも今、日本で使われているダイエットのように、「やせる」ことを目的とした「減量」や「痩身」といった意味は、本来の言葉がもつ意味からは、かなりかけ離れてしまっていることは間違いなきそうです。

ダイエット指数「BMI値」

一方、厚生労働省が発表した2013年版の「国民の健康栄養調査」で、「BMI」という物差しを使って、国民の体形を「やせ」「ふつう」「肥満」に、大きく3分類したデータが発表されました。

この「BMI」というのは、身長を2乗した値で体重を割った数字です。

具体的には22~24だと「理想体重」。

18.5を下回ると「やせ型」。

17.6以下だと「やせすぎ」。

逆に24を超えれば超えるほど、肥満度が上がると分類されます。

たとえば身長160センチで、体重55キロの女性だと、「BMI」はだいたい21になり、計算上は「理想体重」よりやや痩せているという結果になるそうです。

この厚労省のデータの中で、特に目を引くのは、やせ型の成人女性の割合が、調査をはじめた1970年以来最多の12.3%に上ったということ。

中でも20代女性の21.5%つまり、5人に1人が「やせ」に分類されているとのこと。

30代の女性でも、その割合は17.6%に達しており、若い女性ほど「やせ型」「やせすぎ」が多いという事実が明白に示される結果になりました。

ちなみに、日本人女性のやせ型傾向は近年、ますます強まっていて、1980年には20代女性の「BMI」の平均値は21.5とほぼ理想に近かったものが、今回の調査では19にまで下がってしまって、平均値でも見ても「やせ」の傾向が加速していることが、データ的にも証明されました。

BMI値を海外の女性の値と比べてみよう

この結果を海外、特に欧米の人と比べてみると、日本人の若い女性のやせすぎ傾向はさらに際立ちます。

たとえば、アメリカ人女性のBMIの平均値は、28です。

身長160センチで計算すると、72キロになります。

これは確かに少し太りすぎかなと思いますが、これがアメリカの実情です。

事実、「やせ型」女性の割合が平均で10%を超えている先進国というのは、日本以外にはひとつもありません。

アメリカも、イギリスも、フランスでも、そのほかの先進国もすべて5%以下になっています。

「やせ型」女性の割合が、10%を超えているのはバングラデシュとか、パキスタンとか、ナイジェリアとか発展途上国ばかりだということ。

ですから、「やせ型」の割合が20%を超えている20代の日本人女性が世界的に見ても、いかに異常かということははっきりしています。

今の20代女性は戦後の時の女性とカロリー摂取量が同じ??

先と同じ、厚労省の調査では20代女性の平均エネルギー摂取量が1日1628キロカロリーであることも発表されていますがこれは現代の70歳以上の女性とほぼ同じ水準。

ちなみに今から70年近く前、終戦直後1946年2月時点の都市部の平均カロリー摂取量は1696キロカロリーだったというデータが残っています。

つまり現代の20代女性は深刻な食糧不足だった終戦直後の都市部の人々より、一日のカロリー摂取量が少ないということになるのです。

にもかかわらず、ほかの調査では、現代の日本人は男女ともに、約6割以上の人が「自分は太っている」と思っていて、さらに7割を超える人が「自分はダイエットが必要だ」と感じているとの結果が出ています。

実際は世界的に見ても日本人の特に若い女性は「やせ型」か「やせすぎ」の割合が多いにもかかわらず、本人は「自分は太っていてダイエットが必要だ」と思っているということ。

はっきり言って、これはもう体重、体形の問題ではないのは明らかでしょう。

だって肉体的なデータは、これだけ「やせている」ことを証明してくれているのに、それでもまだなお、やせようと努力している。やせたいと思っている。

まさに現代の日本人、特に若い世代を中心とした女性たちは、「ダイエット」という名の心の病にかかっているといってもいいでしょう。

あなたも、「私は太っているんだから、関係ない」と思ってはいませんか?

その「太っている」という思い込みこそ、あなたの思い違い。心の病にかかっている証拠かもしれませんよ。

いずれにしても、現代の日本は今こそ、ダイエット本来の意味である「食生活に由来する生活習慣病対策」に立ち戻ることが必要でしょう。

と同時に、日本ほど「やせなければならない病」という心の病からの解放が、今ほど強く求められている国はないといえるでしょう。